DB Stories

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Cloudian (Magic Quadrant「分散ファイルシステム、オブジェクトストレージ」)(4)

引き続き、各製品群を見ていくことにします。 www.dbstories.com

Cloudian

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Cloudian社はSilicon Valleyを拠点としていますが日本発の企業になります企業サイト。ちなみに、英語サイトの方が情報は圧倒的に多いので深追いしたい方はそちらを参照ください。 会社沿革を読むと面白いのですが、もともとプロバイダ向けメールシステムの提供をしいたのですが、それまでの技術を元にソフトウェアベースの分散ストレージ開発に舵を切ったという技術的にも連続性をもった変化をしてきている企業です。

オブジェクトストレージ製品としてはAmazon S3の完全準拠をうたうHyperStoreとなります。

機能的にはいたって普通という印象で暗号化、NFS、マルチテナント、マルチデータセンターといった通常のオブジェクトストレージが持つ機能はサポートされています。また、「スモールスタート」というキーワードで表現されていますが最低2ノード(推奨3台)という小規模のスタートが可能になっています。

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アーキテクチャについては企業サイトに少し記載があるのみです。

Cloudian HyperStoreのストレージレイヤーには、商用実績豊富なNOSQLデータベースを利用しています。 クラウディアンが独自開発(特許申請中)したHyperStore技術は、データの格納にNOSQLデータベースだけではなく、ファイルシステムにもデータを格納できるようにする技術です。これによりハードディスクの使用効率を向上し、データの読み書きの性能を高めることができます。 Cloudian HyperStoreに関する「よくある質問」

もう少し知りたいと探していたらSlideShareに参考となる情報がありました。

2012年の資料なので今は状況が違うかもしれませんがまとめると以下の特徴があります。

  • ベース技術としてCassandraを利用
  • オブジェクトサイズの小さいものはCassandra、大きなものはファイルシステムと格納先を切り替えをおこなう

Lenovo社ハードウェアを利用したアプライアンス形式での提供も行っていていますが、サポート体制などの詳細は不明です。ソフトウェア企業の提供するアプライアンスは往々にしてハードウェアとソフトウェアのサポートについての線引きがあいまいになることがあるので採用にあたっては重視すべきと考えます。納得いくまで確認することをお勧めします。

注意点としてはただ1点と考えます。

  • USと日本にマーケットが偏っておりその他での利用が少ない。

2016年Magic Quadrant for Distributed File Systems and Object StorageではNiche Playerですが今後伸びることができるか注目の1社と考えています。