DB Stories

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DELL EMC(Magic Quadrant「分散ファイルシステム、オブジェクトストレージ」)(6)

Dell EMC

引き続き、各製品群を見ていくことにします。 www.dbstories.com

Dell EMCはMagic Quadrant for Distributed File Systems and Object Storage(2016)においてLeaderポジションに位置しています。2つの製品が存在しています。

Isilon

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2010年にIsilon社をEMCが買収して製品群に加えたものになります。スケールアップNASという言葉で表現されているように、クラスタ構成をもったNASをノード追加することによってスケールアップすることが可能な製品になります。OneFSという独自のOSを持つNASストレージとしての提供になり、最小ノード3台で構成して最大ノード数は144台となっています。このあたりの上限がが決め打ちなのはOneFSとして制約になるとは思うのですが、実務上は十分と言えます。

The Isilon OneFS OS is on its eighth generation of software release and has more than 7,000 customer deployments for use cases such as analytics, file sharing, backup and archiving.

OneFSはバージョン8となり、7000顧客以上の利用ということからも成熟性は十分な製品と言えます。Hadoop APIが利用可能ですが、ハイエンドNASとしての利用が多いのでは以下と推測します。 特徴として同一クラスタにあるハードウェアをローリングで入れ替えることが可能というものがあります。NASは非常に便利ですが、自由すぎことからたこつぼ状態になってしまうというシーンを何度か見てきました。「どのサーバが何を利用しているのかが把握しにくい」「利用者が多すぎてリプレースが困難」という懸念が付きまといますので、Isilonで固めてしまうという思い切った決断もアリなのかもしれません。 「分散ストレージにファイルを入れてNASのアクセスする入り口を用意します」という他の製品とはちょっと異なり、これは完全にNAS製品ですね。

Elastic Cloud Storage

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古くはEMC Centeraの系譜に属する製品で、こちらは典型的なオブジェクトストレージ製品となります。S3互換も兼ね備えています。詳細な情報は見つけることができませんでしたが基本的な機能(Erasure Code、データセンター間のデータ保護、マルチテナント)はサポートされています。 アプライアンスとソフトウェアの2種類の提供方法があり選択可能です。

Amazon S3やGoogle Cloud Storageより安いストレージ機器 EMC CEOのDavid Goulden氏が強調したのは、5ペタバイト以上のデータ保有にかかるコストについてAmazon S3やGoogle Cloud Storageと、EMC ECSアプラインスで4年分の総所有コスト(TCO)で比較した場合、EMC ECSアプライアンスの方が安いという点です。 EMC、「クラウドのストレージより安価」なエクサバイトクラスのストレージ機器「EMC Elastic Cloud Storage」発表。EMC World 2014 - Publickey

と記載されいるように、パグリッククラウドとのコスト競争力もあるという製品です。ただ、5ペタバイト以上というスケールの話をしているように相当な規模感があっての話です。プライベートで持つのはデータセンター費用などもありクラウドと対抗するのは至難の話です。

Dell+EMC

DellのEMC買収に伴うDell EMCへの移行は2017年より本格化します。

Cautions End users may feel the impact of sales or support changes as, postacquisition, Dell Technologies (which has acquired EMC) might pivot sales strategies, support offerings and R&D priorities for Dell EMC products.

上記のような懸念点が挙げられていますが、長年エンタープライズ向け製品を扱ってきた旧EMCとしても最優先課題として収束させていくはずです。この点はあまり気にする必要はないのではと考えています。